覚王山|ウグイスのさえずるお庭を眺めながらいただく素材の味が活きる京料理

覚王山|ウグイスのさえずるお庭を眺めながらいただく素材の味が活きる京料理

和食には「会席料理」と「懐石料理」があるのはご存知ですか?

料理とお茶を楽しむ懐石料理と違い、会席料理はお酒と一緒にいただくおもてなしの料理なんですよ。

今回は、予約困難な京料理店の会席料理をレコメンドします。

季節ごとに素材を厳選し、熟練の腕で料理へと昇華する。上品な京料理が楽しめる「京味 もと井」

地下鉄東山線・覚王山駅の1番出口から日泰寺方面に向かい歩いて数分。

立派な門構えのこちらが今回ご紹介する、池下から移転してきた「京味 もと井」さんです。

真っ白な暖簾をくぐって玄関に入ると女将のお出迎え。立派な胡蝶蘭で溢れ返った部屋で上着を預けてお部屋へご案内をいただきます。

今回は個室です。

温かいお絞りとお茶を女将さんがお持ちくださり、大将ともどもご挨拶をいただきました。

今日、いただくのはお昼のお任せ会席料理。

今回いただくのは「お昼のお任せ会席料理 9,500円(税・サービス料込)」

※私達はお酒をいただいていませんがお酒をいただく方はお酒のお品書きがあるようです。

 

さて、素晴らしい時間が始まります。まず、先付から。

 

●先付(前菜)

新筍とうるい、平貝にお出汁のジュレ。ジュレには、お酢が入ってさっぱりした味。

平貝がプリンとした歯応えです。

 

●お吸い物

あいなめの梅肉のせ。

あいなめは細かく骨切りしてあり、臭みはまったくありません。梅肉のほどよい酸味が大好きです。筍、わかめとともに。

 

●向付(刺身)

本マグロとダルマイカ。滋賀焼きの特注の器で供されました。中トロの本マグロは甘くて口の中でとろけます。

ダルマイカは剣先イカの別称のようです。甘味と弾力のある身でした。

 

●八寸

鮮やかなお皿に彩りの鮮やかな料理の数々。これだけの品数、1つひとつにもきちんとした下処理と下味を付けてありました。

八寸の構成は次のようになっています。

・うこぎの天ぷらと白魚の天ぷら:香りが凄い!

・近江こんにゃく:弾力があり美味しい。

・よもぎ麩:生麩が好きすぎて、これは美味しすぎました。

・鯛の卵:ほんのり塩味で臭みはないです。

・そら豆:お酒、味醂、薄口醤油で炊いてあります。

つぶ貝:貝が苦手な私でも美味しくいただける味付けでした。

・胡麻豆腐:ガラスの小皿に入っています。胡麻の香りと滑らかな口当たりは美味しいです。

・からすみ:こちらも苦手な食べ物でしたが、丁寧な味付けで美味しくいただけました。

 

●焼き物

鰆の炭火焼き:炭火焼きの香りが素晴らしい。そして遠赤効果で実はふんわり。

姫キュウリ、ニンジン、ミョウガ、カリフラワーを使用したフレッシュなマリネという感じ。カリカリ食感。

 

●炊き合わせ

炊き合わせでお肉?と思いましたが、それぞれの味わいをはんなりとした柚子胡椒の餡が優しくキュッとまとめています。

三州牛フィレ肉の炭火焼き:柔らかくて美味しいお肉、もっと食べたい…。

付け合わせは天恵菇(てんけいこ)という肉厚な椎茸の炊いたものと赤目里芋の炊いたもの、そして柚子胡椒の餡掛け、アラレ。

 

●止め椀、ご飯、香の物

・厚揚げの赤出し:出汁が効いていて美味しい。

・土鍋で炊いた桜海老と蕗の炊き込みご飯

炊き立てのご飯の蓋を取ると湯気とともにホワーっと春の香りが。お口に運ぶとなんとも言えない桜海老の香りとフキの香りに包まれます。

じゃこ 煮切り酒、味醂、薄口醤油で炊いたじゃこに一番出汁を取る鰹節の細かくなった部分をかけています。

 

●果物

デコポン:ゼリーのような美味しいデコポン。

 

●お抹茶とお菓子

お薄と桜の花びら入り桜羹。

お腹はいっぱいですが、甘味は別腹とはよく言ったものです。(笑)桜羹には淡い桜色の花びらがふんだんに。塩漬け桜葉と共に珍しいフィンガーフードでした。

 

お食事が済んでから、建物の中を女将さんにご案内をいただきました。築80年の建物ですから、階段はなかなか急です。

2階には風情ある個室が1部屋。

ここから見えるお庭が素敵。大きなツツジがゴールデンウィーク前に開花するそう。

挨拶を済ませて外に出ると、ウグイスのさえずりが聞こえ、とても晴れやかな気持ちになれましたよ。

もと井さんの大将は、京都で10年以上の修行をされた方です。京料理は薄味だと思っている方も多いのですが、そうではなく一番出汁をたっぷりと効かせて作られています。

まるで季節そのものをいただいているかのような贅沢なお料理で、大将の腕で素材の持つ味を最大限に引き出しています。これだけのお料理がこのお値段ですから大人気で、予約は半年以上先まで埋まっていますが行く価値ありです。

ぜひ、本物の味が味わえる京料理を召し上がっててみてください。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

INFORMATION

店名:

京味 もと井

住所:

愛知県名古屋市千種区西山元町1-58

電話番号:

052-750-5942

営業時間:

12:00~14:30 18:00~22:00

定休日:

日曜日

一人当たりの予算:

¥9,000〜

※記事内の情報は記事執筆時点のものです。正確な情報とは異なる可能性がございますので、最新の情報は直接店舗にお問い合わせください。