オノマトペで巡る、名古屋の町中華vol. 7|こってり♪「ラーメン」

オノマトペで巡る、名古屋の町中華vol. 7|こってり♪「ラーメン」

チクタクと進む時計の針、朝目覚めればサンサンと差し込む太陽の光、キッチンでは朝食の香り。あ、今日のお昼はパラパラの炒飯が食べたいな。
私たちの生活はあらゆる音で構成されています。

そしてここ名古屋の街に日々奏でられるウマい音は1日の楽しみ生みます!その音を聞けば自然と脳裏に浮かぶ料理たち…。あぁ、早く食べたい!
本来私たちには表現することのできない、自然の音、ウマい音。それを伝える術…。

そう、それはオノマトペ。

「ジュージュー」「ずるずる」「ジュワッ」
今回オノマトペのチューニングを合わせるのはみんな大好き"町中華"。半音たりとも外さない中華の奏でる音の数々。
「今日はあの音を求めて」
オノマトペで巡る、名古屋の町中華をご紹介します!

今回取り上げるオノマトペは“こってり”。
「ラーメン」が旨いお店をご紹介します!

創業から70年以上煮込み続けている至極のスープを使った伝説のラーメンが味わえる「今池吞助飯店」

さて、今日はどんな音を味わおう?

お店があるのは千種区今池。

名駅、栄と名古屋には繁華街と呼べる街がいくつかありますが、地下鉄東山線、桜通線が通る利便性の良さに加えて今池には下町の良さの名残のようなものを感じます。長らく営業しているお店から新しいお店が一体化し、コンパクトに収まっているのが今池の魅力。その中でライブハウスもあり、春先には音楽イベントが開催されたり、秋の初めには街全体をあげたイベントである「今池祭り」が開催されたりと活気溢れる街です。

ちなみにお酒が大好きな私にとって、今池はオアシスのような街で1人でも友人とでもよく訪れる場所です。

先程少し触れたように長らく営業しているお店が多い今池には中華料理店も豊富。街の良さと比例するように魅力的な町中華がナイスな音を奏でています。

地下鉄今池駅4番出口から歩いて5分程度、こちらが今回ご紹介していく「今池吞助飯店」さんです。

ついに町中華の連載でこのお店を紹介する時が来たか!と僕のBPMは190になったところです。

まず言いたいんですが、屋号が良すぎる!「今池吞助飯店」って!もう響きが最高だし、個人的にはこのグループ名でデビューしたら、スマッシュヒット間違いなしだと思っています!吞助って響き最高ですよね…。「その歴史に名を残す伝説の1人が吞助を名乗ってきたのだ」ってくだりがマンガでありそうありそう、私もこの世代の吞助を名乗れるよう精進していきたいです!

店内はその時代をカメラの画面を切り取ったような趣ある空間で、畳が張りついたイスに座布団、カウンターは石造りになっていて、料理ができるまでにボーっと眺めていたいテレビが流れていたりとめちゃくちゃ雰囲気があります。それもそのはず、こちらは1950年にオープンした70年以上の歴史を刻んできた町中華の名店。

一言で言うと、エモい。

私はオープンと同時に訪れたんですが、店頭に並ぶでもなく、お店ののれんが出るタイミングで常連さんたちがのそのそとお店入っていきました。これぞ町中華って光景で素敵だなって思いながら、メニューでも見ていきましょう。

 

歴史あるノスタルジックな町中華で唯一無二を味わうべし!

ドリンクはビールにサワーなど最低限を押さえたラインナップ。他のお店ではドリンクの種類が豊富で選択肢はあった方が良いと言った記憶がありますが、こちらにおいてはこの限られた感じが良いと感じるのはなぜでしょうか。自分に発言に異を唱えつつ、そうさせる町中華の歴史ってすごいなと感心させられます。

フードはメニューに番号が振ってあるので非常に分かりやすい25種類。麺にご飯、一品料理はあれもこれも食べたいものばかり。いつもならどれにしよう、あれもこれも食べたい!となるんですが、これを食べれば間違いない!という名物が今池吞助飯店さんにはあるんです!なので、今回はその魅力を、音をしっかりとお届けすべくピンポイントに絞ってご紹介していきます。

とりあえず飲もっかってことで瓶ビール、大瓶なのが嬉しいですね!瓶ビールをグラスに注ぐ音がすきな人と繋がりたいってハッシュタグを拡散したい、あの音のASMRが欲しい。

アルコールを頼むとちょっとしたアテがついてくるもの吞助たちの気持ちをよく分かっています。グビグビっと流し込む、今日もビールが旨いぜ!

 

パクパクとどれだけでもいける吞助特製餃子

私が最初にいただいたのは「吞助特製餃子」です。

メニューにも分かりやすく赤枠で囲っておすすめとまで書いてあるので、間違いないでしょう。私はカウンター席に陣取っていたので調理の様子も見ていたんですが、1つひとつ包んだ自家製の餃子はほぼ全員が注文する人気商品の1つ。テーブル席のお客さんは4人で10人前注文するほどで、確かにパクパクといけてしまうサイズ感です。

この餃子、非常に特徴的で小ぶりで皮はカリッと焼き上げられており、中に詰まった餡は白っぽく、噛むともっちりとしていてフワッと広がる甘味を感じます。ビール止まんねえ。

正直何が入っているか分からない、でも広がる甘味に餃子のタレ、ラー油をつけて食べればもう君に夢中!パクパクと平らげてしまいます!これはどれだけでも食べれるかも、個人的には3人前は楽勝、訪れた際は絶対に注文してください!

 

こってりを味わう!油たっぷり濃厚な人呼んで重油ラーメン?!

そしてやってきました!今回取り上げるオノマトペである「こってり」のラーメンの登場です!

先程のフードメニューにもあったんですが、こちらには通常のラーメンとチャーシューメン、それぞれに2種類の味が存在します。メニューに沿って紹介するとAの伝説の油こってり濃い口、Bのあっさりしょうゆ系薄口で今回Aのラーメンです。しかもこれ1杯650円ですからね、安すぎる。

伝説の油こってり濃い口、これは通称「重油ラーメン」として親しまれており、この1杯に今池吞助飯店が詰まっていると言っても過言ではありません!なぜならこの重油ラーメンに使用されているスープは創業から継ぎ足し、継ぎ足し、70年以上グツグツと煮込み続けられているまさに伝説のスープなのです!

その見た目はレンゲが映えてしまうような黒。具材はネギ、チャーシュー、メンマと非常にシンプル。ただ主役であるスープはパッと見ただけでもキラリと反射する油がその量を物語っています。

まずはスープからズズッと一口すすると、めちゃくちゃ熱い!油が層になっていて、スープが冷めにくくなっているんです!結果、食べ終わるまで熱々のままいただけたので、このラーメンの特性が活きています。

そしてスープは歴史とともに積み上げたコクと味の厚みを感じ、油の旨味、その量でこってりのコテコテ!スープをすすった唇は油で潤っています。

そしてズルズルとすする麺はシンプルなストレート麺。ちぢれ麵の方がスープが絡みつくと言いますが、この油たっぷり濃厚なスープの前ではストレート麺でもその旨味を十分に吸い込んでくれています。むしろストレート麵でちょうどいいかも。スープのおかげで最後まで麺も熱々のまますすることができます。この熱々で濃厚なラーメンにビールを飲んでみてください…ペンタトニックスみたいな至極のハーモニーを奏でますよ…。

このこったりがまたクセになる中毒性の高い罪な1杯…!正直なとこ、誰でもおススメです!なんて書けません。それだけ尖った強烈な1杯。それでも1度食べたら、またこのラーメンで油にまみれたくなってしまいます!

 

今池吞助飯店の奏でる音の余韻が止まらない!

この街を長年支えた歴史ある町中華から鳴り響いたのは「こってり」というお店の歴史とともに積み重ねた圧倒的な個性。強烈!濃厚!食べた次の日は胃もたれしてしまうかもしれません。(笑)それでもまた食べたくなる中毒性!歴史あるその味を、その音をぜひ味わってほしいです!

「こってり」というオノマトペが魅力のラーメン。その音を楽しみ、味わう、それはまさにイーティングミュージック!次回までチューニングはそのままで!町中華が奏でるそのリズムを味わいませんか?

INFORMATION

店名:

今池呑助飯店 (いまいけのみすけはんてん)

住所:

愛知県名古屋市千種区今池5-14-8

電話番号:

052-731-0396

営業時間:

18:00〜22:00

定休日:

火曜日

一人当たりの予算:

¥1,000〜¥3,000

※記事内の情報は記事執筆時点のものです。正確な情報とは異なる可能性がございますので、最新の情報は直接店舗にお問い合わせください。