令和版!名古屋めしのススメ vol.6|名古屋めしの大看板“味噌おでん”

令和版!名古屋めしのススメ vol.6|名古屋めしの大看板“味噌おでん”

日本のほぼ中心に位置する大都市、名古屋。
利便性と発達した交通網を活かして、名古屋市内はもちろん、日本のどこにでも行き来しやすく暮らしやすい街。
さまざまな文化と歴史が育んだ名古屋の最大の魅力はその特有な食文化である“名古屋めし”だと思います!

ですが、その名古屋めしの魅力を感じられていますか?あまりにも身近な存在で名古屋めしを味わう機会が減ってしまっているのではないでしょうか?
名古屋めしの魅力を存分に感じ、発信できるのは名古屋に暮らす私たちの特権!

この「令和版!名古屋めしのススメ」では伝統的、そして進化を遂げた名古屋めしの令和という“いま”の姿をレコメンドしていきます!


第6回目の今回は味噌おでんをススメていきます!

屋台から始まった伝統と歴史ある味噌おでんの名店「島正」

お店があるのは中区伏見。伏見といえば名古屋でも有数のオフィス街であり、名駅、栄という繁華街へのアクセスも徒歩圏内とアクセスのよさを誇ります。

オフィス街の働く人たちの胃袋を支える伏見エリアの飲食店は居酒屋もランチ営業を行うお店も多く、その一方で、伏見地下街などの居酒屋が密集し、夜はサラリーマンやOLの気持ちを癒す1杯が気兼ねなく楽しめるのが魅力的な地域。

そんな伏見駅から歩いて2、3分の場所にお店を構えるのが今回ご紹介していく「島正(しましょう)」さん。趣ある外観はその歴史を感じさせます。

お店の歴史は屋台から始まり、場所や屋号を変え、現在の伏見の街へ落ち着き、その歴史は70年を越えます。名古屋の食文化と根強い繋がりを持つ味噌を取り入れた名古屋めしである味噌おでん。まずは味噌おでんについておさらいしていきましょう!

 

味噌おでんについておさらい

味噌おでんは味噌ベースの出汁で煮込まれたもの、醤油ベースの出汁に煮込まれたおでんに味噌をかけるタイプの2つに分けることができます。

今回ご紹介するのは、私たちに馴染みがあるのはおでんに味噌をかけるタイプの味噌おでんで、この地域のスーパーではチューブタイプの味噌が販売させている姿もよく見かけることができます。また、寒い時期にコンビニで販売しているおでんに小袋の味噌が添えられるのもこの地域ならではでしょう。これに比べて味噌ベースの出汁で煮込まれたおでんは居酒屋などの専門店で味わう機会が多い印象を受けます。

そのルーツに関しては不明な点も多いですが、この地域の食文化に欠かせない存在となっている八丁味噌の誕生が大きく関わっており、関東で主流だった関東風のおでんをこの地域流にアレンジしたのが味噌おでんの始まりともいう説や、どて焼きから派生したものが味噌おでんとなったという説もあります。

いずれにしてもこの名古屋の食文化を支える味噌がその肝となっている味噌おでんの魅力を今回は存分にご紹介していきたいと思います!

店内は調理場を中心都市、少し変則的な形をしたコの字型のカウンター席が1階。2階は個室となっており、私は壁面に掛けられたテレビ近くカウンター席に陣取りました。

グツグツと煮込まれたおでんが前かがみになると見受けられますが、その誘惑にそそられつつも、メニューに目を通していきましょう!

 

これぞ名古屋酒場というラインナップ!

ドリンクメニューはビール、焼酎、日本酒にハイボール、そして近年そのマリアージュが注目を浴びている赤ワインまで。70年者もの歴史がある老舗ですが、居酒屋として古きよきを引き継ぎ、、新しきも受け入れるスタイルが全ての酒飲みを喜ばせます。

個人的には瓶ビールがクラシックラガー、そして赤星であることのポイントが非常に高いです!

そしてフードメニューも味噌おでんだけではありません!焼き物に串物、お惣菜と居酒屋として酒の肴になる逸品たちもそそられるラインナップ。その上でやはりこちらの看板メニューは味噌おでん。

こちらはその歴史の深さからメニューにもどて焼きの文字が残ります。その中でもメニューに仕切りに飛び込んでくるのは味噌、どてという2文字。これぞ名古屋の老舗居酒屋。名古屋めしの魅力を思う存分味わっていきます!

 

まずは乾杯から…!

まず私が注文したのは瓶ビールからクラシックラガー。樽生の生ビールもいいけど、いつどこで飲んでも変わらぬ安定感を持つ瓶ビールの魅力を最近になって改めて感じています。クラシックラガーのコクがたまらない…!

お通しはじゃこおろし。味噌がウリということもあり、お通しでありながら、その合間につまむことでリセットする箸休めの役割も果たしてくれそうです。

 

味噌おでん降臨!そのギャップにヤラレタ…!

さっそくですが、もったいぶることなく今回の主役である味噌おでんのおでましです!私は盛り合わせでお願いし、そのラインナップは右手から玉子、里芋、大根、こんにゃく、豆腐。そして別皿で牛スジも提供されます!黒い!味が濃そうにも思えますが、すごく美味しそう…!

ご紹介した順にならって、まずは玉子からいただきます。ほくほくと黄身が解けて、これが味噌の出汁と相まっていい塩梅。おでんの定番メニューとしての安定感は流石で、ビールもグビッと進みます。

そしてビジュアルだけでは判別がつかなくなってしまっているのが、里芋。これが旨い!里芋のむちっとした食感、それでいて溶けそうなくらい柔らかくなっており、噛まずともパクっといけてしまいます!

来るはおでんの大本命である大根。ここで合わせて味噌の出汁の味も合わせてお伝えできればと思っています。なんとか原型を留めていると言っても過言ではない大根。もうこの中心部まで出汁が染み、それは押せば出汁が溢れてくるほど。この出汁が見た目に反して全くくどくなく、優しい味噌の甘味を醸し出しているのです!見た目と中身のギャップが凄まじく、この大根ならいくらでもいけます!

こんにゃくにも同様のこの出汁がこれでもかと染みており、頬張るほどにビールが進む。そして私の中でのヒットが豆腐!田楽があると思いますが、そのさらに上を行く味わい。プルプルの豆腐にこの出汁が染みることで、旨味が無双しています!

味噌おでんのトリを飾るのがこの牛スジ!こんな柔らかい牛スジ食べたことない!まさに旨味が凝縮した逸品で、盛り合わせを食べずともこの牛スジだけは絶対に注文するようにしましょう!

味噌おでんでグビグビとビールが進んだので、ここで瓶ビールをもう1本追加。銘柄はラガー赤星でお願いしました。熱処理を行うビールゆえの旨味やコクが魅力的で、瓶ビールでの流通が主ということもあり、酒場で味わいたい1杯です。

 

味噌の魅力を存分に発揮した逸品の数々

優しく甘口の味噌は超万能!相性がいいのはおでんだけではありません!串カツをいただきます。まずは串カツとしてのポテンシャルがめちゃくちゃ高いです!サクッと揚がった衣に味噌が染みることで、揚げ物という感じがしないくらい優しい仕上がり。そしてお肉がめちゃくちゃ柔らかいです!1本から注文できるのも嬉しいです。

最後にいただいたのはオムレツ。卵とネギというシンプルな構成のオムレツ。ただ、お好みで味噌をかけてくれるサービスがあり、お願いしました!

フワッとプルプルのオムレツに優しい味噌との相性がこれまた抜群…!これだけ食べても飽きさせない「島正」さんの長い歴史とこだわりから生まれた味噌ダレ、味噌出汁には名古屋の食文化のそれを凝縮したものを感じます!

 

おでんは冬だけ?味噌おでんなら年中食べたい!

一見するとくどそう、味が濃そうにも見受けられましたが、その見た目とは裏腹に優しくあっさりとした味噌出汁が効いた味噌おでんでした。名古屋の食には欠かせない存在であり、今後再びこの連載でも取り上げることになるだろう味噌を使った名古屋めし。

名古屋人の私たちの味覚を築き上げてきた味噌の汎用性の高さを体感するができ、おでんといえば寒い時期のイメージですが、季節を問わず食べたい名古屋めしだと思います!

身近だからこそ、その魅力を感じにくくなっている名古屋めし。令和の”いまこそ”改めて味噌おでんの魅力を体感してみませんか?

INFORMATION

店名:

島正

住所:

愛知県名古屋市中区栄2-1-19

電話番号:

052-231-5977

営業時間:

17:00~22:00

定休日:

土曜・日曜・祝日

一人当たりの予算:

¥1,000〜¥3,000

※記事内の情報は記事執筆時点のものです。正確な情報とは異なる可能性がございますので、最新の情報は直接店舗にお問い合わせください。