伏見｜止まった壁掛け時計に思わず時を忘れる。昭和から変わらず愛され続ける喫茶店

御園座の裏にひっそりと佇む、昭和の雰囲気を色濃く残す人気喫茶店「珈琲処 カラス」

今回ご紹介するのは、伏見御園座エリアで創業50年以上の歴史を持つ喫茶店「珈琲処 カラス」さん。

地下鉄東山線、鶴舞線が行き交う伏見駅が最寄り駅。サラリーマンや学生が多く利用する同駅の中でも、歌舞伎や演劇など文化に触れ合うことができる御園座に近い6番出口から徒歩5分の場所です。

地上に上がると、オフィス街らしい高層ビルが立ち並んでいます。出口からまっすぐ南へ進むと御園座があり、さらに先へ進むと碧海信用金庫と書かれた建物が見えてくるので、その路地を右に曲がります。

現代的な建物が混在する伏見ですが、ひとつ中に入れば風格のある歴史的な街並みが佇む御園通商店街。その一角に煉瓦造りの外観が目印の、今回ご紹介する喫茶店があります。

さっきまで街の騒音が聞こえていたにも関わらず、まるで異世界に迷い込んだような静けさが広がっており、どこかホッとした感覚になりました。

昭和レトロな雰囲気漂う。時間が止まってしまったかのような店内

店内に入ると「いらっしゃいませ。お好きな席へどうぞ。」と柔らかい女性の声が聞こえてきました。2名掛けのテーブル席や4名掛けのテーブル席が複数あり、多くのお客さんが憩いの時間を過ごしています。

年季の入った椅子やテーブルが外観から想像した店内のイメージを覆さない落ち着きと歴史を感じさせる雰囲気が漂います。

時間が止まっている掛け時計が、お店の歴史を物語っているようですね。

まるで本当に時間が止まってしまったような感覚になり、滞在していた時間を忘れてしまいそう。時間に追われ続けている現代人において、時間にとらわれない落ち着いたひとときを過ごせそうです。

メニュー表も昔ながらの面影

メニュー表は、テーブルの隅に三つ折りとなった縦置きタイプ。昔ながらの喫茶店ではよく見かけるスタイル。

値段もお手頃なものばかり。初めてみるようなメニューはなく、懐かしさや名前から想像できるメニューばかりで、それがまた居心地の良さに感じます。

店員さんは1人で切り盛りされているようなので、お水とおしぼりを持って来られるタイミングでの注文がおすすめ。

また、9:30〜11:00の間はモーニングサービスがあり、ワンドリンク注文すると平日のみ「トーストとゆで玉子」が付いてくるとのこと。

お店の個性が楽しめるミックスジュース

●ミックスジュース 500円（税込）

普段なら無難に「ホットコーヒー」を頼んでしまう筆者ですが、お店によって特徴が違いながら、もどこか懐かしさを感じさせるミックスジュースという文字を久しぶりに見たのをきっかけに注文。

あえて新しさを足さないシンプルさがたまに飲みたくなる味の秘訣なのだろう、とふと思いました。

人気グルメテレビ番組でも取り上げられた名古屋名物「おぐらトースト」

●あんトースト 500円（税込）

あんトースト（名古屋ではおぐらトースト）は、名古屋のモーニング愛好者にとっても人気の食べ物。

お店ごとに違いを見せるあんこは、マニアが生まれるほど人気があります。

愛知県育ちの筆者も、日常にあんこはもはや当たり前の生活。カラスさんのあんこはとにかく甘さが控えめに感じましたが、甘みが控えめな分、サンドされている生クリームで甘さの調節がされていました。

薄切りの食パンのせいか、あんこをたっぷりと楽しむことができるこのトーストは、ほかではなかなか楽しめない満足感。

パンの耳まで香ばしく焼き上がったトーストにあんこがたっぷりと入ったあんトーストは、この店の名物であることが確信できます。

名古屋に観光に来た際は、是非とも足を運んでもらいたい異世界に溶け込むレトロ喫茶店

オフィス街立ち並ぶ伏見で、古くから憩いの場を提供し続ける「珈琲処カラス」さん。

一生懸命働くことももちろん大事なことですが、たまには時間を忘れ、美味しいモーニングと共にのんびりとした1日を始めるのもいいかもしれませんね。

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