令和版!名古屋めしのススメ vol.7|名古屋めしの黒子“きしめん”

令和版!名古屋めしのススメ vol.7|名古屋めしの黒子“きしめん”

日本のほぼ中心に位置する大都市、名古屋。
利便性と発達した交通網を活かして、名古屋市内はもちろん、日本のどこにでも行き来しやすく暮らしやすい街。
さまざまな文化と歴史が育んだ名古屋の最大の魅力はその特有な食文化である“名古屋めし”だと思います!

ですが、その名古屋めしの魅力を感じられていますか?あまりにも身近な存在で名古屋めしを味わう機会が減ってしまっているのではないでしょうか?
名古屋めしの魅力を存分に感じ、発信できるのは名古屋に暮らす私たちの特権!

この「令和版!名古屋めしのススメ」では伝統的、そして進化を遂げた名古屋めしの令和という“いま”の姿をレコメンドしていきます!

第7回目の今回はきしめんをススメていきます!

名古屋の玄関できしめんを味わえる数少ない専門店「住よし」

お店があるのは名駅。名古屋の玄関にしてさまざまな線路が入り混じる名古屋で最大のターミナル。

名古屋という街に暮らす私たちにとっては当たり前のように利用する名駅も、全国的に見ると電車の乗り降りが非常に複雑な駅なんだとか。その線路の数だけ人、モノがさまざまな文化や流行を運び、名古屋の文化がここから全国へと発展していきました。

 

お店があるのはまさかの…?

今回ご紹介していくお店は「住よし」さん。

こちらのお店は名古屋に暮らす私たちよりも県外からやってくる観光協の方々の方がよくご存じかもしれません。なぜなら、こちらのお店があるのは名古屋駅のホームなのだから!

名古屋駅には新幹線、JR、名鉄、近鉄、地下鉄、臨海高速鉄道と6つもの電車が走ります。「住よし」さんは新幹線、JRの在来線のホームで味わうことができます。

名古屋駅のホームというと私たちにとっては通過地点であり、留まることはほぼありません。そして気軽に味わえる麺類の中でもラーメンやうどん、そばの人気が高く、名古屋めしでありながら、味わえる専門店が少ない印象を受けるきしめん。まずはきしめんについておさらいしていきましょう!

 

きしめんについておらさい

きしめんは麺を平らに伸ばしたうどんの一種であり、その大きさは幅が4.5ミリ以上、厚さが2ミリ未満という規格が設定されています。醤油ベースの出汁にうどんなどの麺類と同様にお好みのトッピングを選択することができます。ひもかわうどんなどがルーツとも言われ、その発祥には諸説ありますが、名古屋城の築城の際に手早く調理できるものをときしめんが生まれたとのことで、その歴史は深いものがあります。

先ほども触れましたが、きしめんの専門店は非常に少なく、名古屋市近隣の麵処でうどん、そばとともにメニューに名を連ねることが多く、平らな麺の喉越しとツルツル、モチモチとした食感が魅力です。

名古屋めしの中でその名前はあがるけど、なかなか食す機会が少ない、近そうで遠い存在のきしめん。今回はそんなきしめんの魅力を思う存分お伝えしていきます!

 

サッと食べてサッと出るが小粋!

今回私が利用したのは在来線のホームのお店。目的が電車に乗って移動することではなく、きしめんを食べることなので、JRの券売機で初めてホームへの入場券を購入しました

少しだけ脱線してしまいますが、「令和版名古屋めしのススメ」という連載を持たさせている身ではありますが、個性派揃いのナゴレコのライターの中でも、こういった形で取材をするのは私くらいだと自負できます。(笑)

帰り路を待つ人たちをかき分けて、お店へと到着しました。

店内はL字のカウンターで立ち食いスタイル。立ち食いそばに倣うように駅という立地の中でサッと食べて、サッと出る、これが立ち食いの魅力の1つですよね。最近はその魅力が広まり、立ち食い、立ち飲みのお店も増えた印象も受けます。

券売機による食券制で、もちろんメニューの多くがきしめんが占めます。アルコールも置いていることから、時間帯によってちょっとしたおつまみメニューがあるのも嬉しいですね!そしてコスパが抜群にいいです!

 

きしめんだけじゃない!麺呑みも可◎

きしめんにフォーカスする前にとりあえず生ビールを。これに関しては私のライターとしての特徴であることをご理解ください。ビール、旨い!

ビールのアテは天つま。天つまという名称ではピンときませんが、簡単に言うとかき揚げのおつまみです。えび、にんじん、玉ねぎの入ったかき揚げの上にねぎ、それらが天つゆに染みることでお酒の進む抜群のおつまみになります。このかき揚げはきしめんに合わせても間違いないでしょう!

これらをつまみながらきしめんの登場を待ちます。当たり前ですが、電車の発車音や構内のアナウンスも聞こえ、それもいいアクセントになりますね。

 

きしめん着丼!さまざなな食感を楽しんで思いっきりすすれ!

そして私の注文した牛肉きしめんが登場!きしめん、牛肉、ネギ、そこに温玉まで入っていて満足度が高いです!

では、主役のきしめんを思いっきりすすっていきましょう!

少し濃い目の出汁に平たいきしめんがほどよい加減で絡みます。そしてこのきしめんが文字通りのツルツル、モチモチ食感!こちらのきしめんは冷凍されたものを使っていますが、それを覆すような麺の鮮度のようなものを感じさせます。

きしめん、出汁に加わる甘辛の牛肉、それをまろやかに整える温玉と非常に計算された1杯。そしてやはり少しながら駅のホームで食べているというスパイスのようなアクセントも旨味を増幅させますね。

 

ここからは違う駅の店舗でもう1杯いただきます。

まずはレモン酎ハイ。旨っ。

先ほどとは趣向を変えてシンプルな1杯をとたぬききしめんをオーダーしました。

天かす、ネギ、温玉というシンプルなトッピング。牛肉の旨味が加わった先ほどと比べ、あっさりとしながらも出汁の魚介の旨味を感じます。濃口ながらもあっさりとした1杯にサクサクの天かす、ツルツル、モチモチのきしめん。早い、安い、旨いの三拍子が揃っており、数ある麺の中でもきしめんはやはり名古屋めしの王道ですね…!

 

個性的な名古屋めしの中でもシンプルという個性を!

冒頭でもお伝えしたように、専門店が少なく、ラーメンやそばなどの麺類の陰に隠れがちとなってしまっていることから、ほかの名古屋めしと比べてどこかインパクトが弱い印象も受けるきしめんでしたが、個性豊かな名古屋めしの中でもその素朴でシンプルな味わいで、縁の下の力持ちのような魅力を感じました。

ご当地麺としてまずは名古屋に暮らす私たちがすするべき麺がきしめんだと思います!

身近だからこそ、その魅力を感じにくくなっている名古屋めし。令和の”いまこそ”改めてきしめんの魅力を体感してみませんか?

INFORMATION

店名:

名代きしめん 住よし JR名古屋駅10・11番ホーム店 (すみよし)

住所:

愛知県名古屋市中村区名駅1-1-4 名古屋駅構内 10・11番線ホーム

営業時間:

7:00~20:30(L.O.20:20)

定休日:

無休

一人当たりの予算:

〜¥1,000

※記事内の情報は記事執筆時点のものです。正確な情報とは異なる可能性がございますので、最新の情報は直接店舗にお問い合わせください。