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ナゴレコLABO|10:手漉き紙を添えて名古屋の和菓子を味わおう
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ナゴレコLABO、久しぶりの更新です!
夏の暑さにやられていた私ですが、せめて夏が終わる前に夏らしいものづくりをしよう!ということで、今回は自分の手で漉いて仕上げる「手漉き紙」作りに挑戦します。
牛乳パックをちぎってミキサーにかけて…といった作業を、子供の頃に図工の時間などでやられた方も多いのでは。
ハガキを作ることが多いイメージの手漉き紙ですが、今回はこちらを和菓子を食べる時に使う懐紙代わりに添えてみようと思います。
夏休みの自由工作気分で楽しんで作っていきます!
目次
手漉き紙を添えて名古屋の和菓子を味わおう
STEP1.牛乳パックを用意し水につける
牛乳パックを開き、水につけておきます。
(つける期間は2~3日がいいとされていますが、早く作りたかったので1日半くらいになってしまいました)
STEP2.表面のコーティングを剥がす
水から取り出し、表面のコーティングを剥がしていきます。
両面に貼られていますが、水につけておいたので端っこからぺりぺりとはがせます。
(おそらく長期間水につけておけばもっとスムーズに剥がせるはず…!)
剥がれるとこんな感じです。
綺麗に剥がれました!
STEP3.ひたすら細かくちぎる!
表面のコーティングを剥がした後は紙の柔らかい部分のみが残っているような状態なので、簡単に手でちぎれます。
この後ミキサーにかけるため、ある程度細かくしておくのがおススメです。
STEP4.ミキサーにかけてドロドロにする
紙を細かくするためのミキサーを用意。
氷なども砕けるミキサーがオススメです。
ミキサーに先ほどちぎった紙と水を入れます。
大量に入れず、容量の上限ラインくらいまでにしておきます。
水と紙の比率は、一旦適当に入れて様子を見ることにしました。
※ここで洗濯糊を混ぜると紙の強度がアップするそうですが、今回はハガキにしたりして送るわけではないのでこの工程を省きます。
ミキサーのスイッチを入れると…
思った以上にドロドロに!
ミキサーからすごい音がするので若干不安になりますが、ある程度細かくなるまでスイッチを押し続けます。
水が少ないと細かくなりにくい気がしたので、少しずつ水を足しながら作業をします。
ミキサーにかけることを繰り返すこと数回、ドロドロの液体が準備できました。
これを「パルプ」と呼ぶそうです。
この作業を繰り返し、パルプを作れるだけ作っていきます!
STEP5.紙漉き枠を作る
紙を漉くには網は必須。さらに枠があると紙を綺麗な形に整えやすくなります。
紙漉き枠のキットも売っているそうですが、今回は手作りすることにしました。
手作りとはいえ、木のパーツから切り出して作るのはなかなか大変。
そこで、100円ショップに売っているフォトフレームを代用して制作します!
今回選んだのはこちらのフレーム。
2つの枠を挟むように使うため、表面のカーブがなるべく少ないシンプルな形を選びました。
使いやすそう!
フォトフレームの裏のパーツや台紙などを全て外し、枠だけの状態にします。
これに、ホームセンターで購入した網(こちらは網戸用でした)を当て、適当な大きさでカットします。
これでざっくりと紙漉き枠の完成!
試しに、網と枠を固定せずに挟むだけの簡単な構造にしてみました。
STEP6.紙を漉く!
大きめのトレイにSTEP4の工程で作成したパルプ液を入れ、いよいよ紙漉きを始めます!
枠をトレイに入れ、すくい上げるようにする為ある程度深さと大きさがあるトレイの方が作業がしやすいです。
緊張の瞬間!
…?
…!!
なんと、枠を水に浸したことで、フォトフレームの塗装が溶け出し
パルプ液が赤茶色に染まり始めたのです。
意図せずこのような色になってしまったので完全に失敗…。
よりによって作った液を全てトレイに移してしまっていたので、全て茶色に染まってしまいました。
フォトフレームを選んだ時にそこまで考えが及ばなかった自分を悔やみました。(笑)
ショックでしばらく呆然としてしまいましたが、せっかくなのでこの状態で一旦紙を漉いてみることにしました。
なんだか絵面がとても汚い!(笑)
キッチンペーパーで水分を拭き取り、枠から外すと…
やっぱり汚い!(笑)
周りを少し手で整えてみるとこんな感じです。
なんだろうこれは……
今回溶け出した色がたまたま茶色系だったためあまり綺麗ではありませんでしたが、
別の色なら「これはこれでありかも!」となっていた可能性はあります。(笑)
ただ、最終的に絵の具で色をつけたいためやり直すことにしました。
〜リベンジ編〜
前回のフォトフレームはもう使えないので、新しく購入。
…着色されていないので今回は大丈夫なはず!
前回の「網をはさんだだけの枠」では少し作業がしづらかったので、今回は網を枠に固定することにしました。
二つの枠の片方は網を張り、もう片方は張らずに上に重ねてパルプの形を整えるのに使用します。
まずは金具を外して木の枠だけの状態に。二つの枠それぞれこの状態にします。
片方の枠のみ網を張っていきます。
網を枠に乗せたらホッチキスをガバッと開いて、針が出る部分を枠に垂直に押し込みます。
こうするとタッカーのように使えるので、網を簡単に枠に固定することができました。
何箇所か留めたら枠の完成!
牛乳パックが集まったところで、STEP1〜STEP4の工程を繰り返します。
一度やっているので少しスムーズ!(笑)
パルプ液も準備完了。
いよいよ紙漉きリベンジです!
二つの枠を重ね、パルプ液に入れてゆっくり垂直にすくい上げます。
すくった後、少し上下左右に振ると高さがならされて綺麗に仕上がります。
(激しく振りすぎると網から剥がれて飛び散るので注意!)
色落ちは問題なさそう!
ただ、すくった後に気づいたのですが、網がはみ出てるとそこにもパルプが乗ってしまうようです。
パルプ液が無駄になってしまうのと、取る手間がかかってしまうので網のはみ出た部分をカットして改良します!
気を取り直してもう一度。
いい感じの密度!それとなく紙っぽい感じがします。
漉き枠を裏から見るとこんな感じです。
漉き終わったパルプは、ペーパータオルで軽く水分を拭き取り作業台に移します。
ところがなかなか外れず輪郭のところが少しぽろぽろと崩れてしまいました。
どうやら漉き枠の表裏を間違えてしまっていたようです…。
下記のように、網を留めた方にパルプが乗る向きが正解です!
向きがあっていれば、このようにひっくり返すだけで網から剥がれます。
何回か繰り返し、紙の原型が何枚かできあがりました!
今回はそこに水彩絵の具で色をつけていきます。
こちらは100円ショップのセリアで購入した水彩絵の具の8色セットです。
和の色をテーマにした絵の具が8色も…!100円ショップ、すごい。(笑)
夏らしい爽やかな感じを出したかったので、寒色系の絵の具をチョイスして色味を乗せていきます。
あえて紙が乾燥する前の濡れた状態で着色し、滲んでいく様子を楽しむことにしました。
筆にもたっぷり水を含ませて、ぶっつけ本番で描いていきます。
久しぶりに筆と絵の具を使ったので少し緊張。
どういう絵柄にしようか悩みましたが、
和菓子が上に乗ることを考えるとシンプルな柄が自然と多くなりました。
全ての紙に着彩完了!
STEP7.乾燥させる
着彩が完了したら、あとは表面がパリッとするまで乾燥させます。
作業に使った板はプラスチック素材になっていて紙とくっつく心配がないので、このまま乾かします。
STEP8.完成!
しっかり乾燥させ、作業板から外したら完成!
こんな仕上がりになりました。
乾くとなんだかいい感じ!!
エッジがあえて整っていな感じが、今回の素材に合っているように思います。
一枚一枚見ていきましょう!タイトルもなんとなくでつけてみます!笑
●夕立
●川遊び
●シャーベット
●メロンクリームソーダ
●反射
●夜の水面
●名古屋城(突然具体的!)
以上です。
表面をアップにするとこんな感じです。
網が凸凹していたためか、麻のようなザラザラした素材感になっています。
表面の質感によって印象が変わりそうなので、乾燥前に色々押し当ててみても面白そう!
STEP9.名古屋の和菓子を乗せて食す
手漉き紙が完成したところで早速和菓子を用意して食べてみます。
名鉄百貨店の食品コーナーをぶらぶらして、下記3つを購入!
・カエルまんじゅう抹茶あん(青柳総本家)
・若鮎(鶴の家)
・ひまわりの和菓子(鶴の家)
カエルまんじゅうの抹茶あんは夏限定とのことで、思わずチョイス!
その他、個人的に夏を感じる和菓子を購入しました。
(見た目のインパクトが強めなチョイスだなあと後から思いました。笑)
ベタつきが多い和菓子だと紙にくっついてしまう可能性があるので、なるべくそうでないものを選びました。
トレイの上に何枚か紙を重ねて、購入した和菓子を配置。
コップの下に敷けば、コースターとしても使えます。
クリアなコップとの相性抜群!
真上から見るとこんな感じです。
和菓子をより和菓子らしく演出できました!
私は和菓子を積極的に食べる方ではないので、
名古屋土産としても定番のカエル饅頭は食べたことがありませんでした。
今回初挑戦!
普段、抹茶味は自分から進んで選ばないのですが、これはおいしい!
甘さも控えめで、大きめなのにパクッと食べちゃいました。2個連続でも余裕で食べられそう!笑
夏限定とのことですので、気になる方は是非お早めに!
まとめ
小さい頃に作った記憶のある手漉き紙ですが、
あの頃感じたイメージよりもずっと難しく、想像以上に苦戦しました。
ミキサーをかける度合い、形の仕上げ方、漉き枠の網の細かさ、水気を切る時に使う道具、絵の具の選び方…などなど、色々な工程で仕上がりが無限に変化する奥深さを感じました。
牛乳パックを集めて水につけたり、最終的に乾燥させる必要があったりと工程は多めで、すぐに制作に入れてすぐ完成するというものではありませんが、その分完成品を見ると達成感がありました。
是非みなさんも試してみてくださいね!