BEHIND THE LIFE|スパイスカレーandカフェ チカク「原田一眞」氏インタビュー

BEHIND THE LIFE|スパイスカレーandカフェ チカク「原田一眞」氏インタビュー

「BEHIND THE LIFE」

現状があるのは、積み重ねてきた過去の日々の成果。

どのような過去を経て、現在があるのか。

街で活躍するさまざまな人たちのバックグラウンドにあるストーリーをのぞき、発信することで、チャレンジしようとしている人の背中を押すことを目的としたインタビュー企画です。

第2回は、オープン当初から話題の人気店、「スパイスカレーandカフェ チカク」の代表、原田一眞さんにインタビューをさせていただきました。

BEHIND THE LIFE|スパイスカレーandカフェ チカク「原田一眞」氏インタビュー

人が集まる場所がつくりたくて

——始めに、現在のお仕事(飲食業)を始めたきっかけは何ですか。

前職は児童館保育士でした。職業柄、世代を超えて人を繋ぎ、地域づくりをしていく中で「自分で事業を起こしたい!」という思いが。

“人が集まる場所”をつくるには、飲食店、カフェ、シェアハウス、ゲストハウスのいずれかだと考えていた矢先、ご縁があってこの場所を譲っていただくことができました。

一般的に「この料理をみんなに提供したい!」という思いがスタートのケースが多いののではないかなと。僕はそうではなく「人が集まる場所をつくりたい!」という思いが最初のきっかけです。

 

——飲食業を開業するまでの経緯を教えてください。

カフェを開くにあたって、まずは本屋さんに行きました。資金表を見たところ開業には300万円〜500万円が必要と記載があって「絶対うそやん!」と思いましたね。(笑)

僕は何の経営知識もないまま、とりあえず100万円くらい貯めてカフェを開業しようと試みました。とはいえ、いろんな人と会わないといけないと思ったんです。お金がないながらも、全国でのヒッチハイクをすることを思い立ち、物々交換を始めることに。

最初は、目が会った商店街の居酒屋 のおじさんでした。何かと交換してほしい旨を伝えると、自分の口に収まるくらいのパンをくれたんです。そのパンをもらった瞬間、これを3年続けたら間違いなく物件になると確信を持ちました。

「まず、できることって何だろう?」と考えていたところ、ご好意でお声がけいただいたことをきっかけに、大須にある「TOLAND」というカフェでイベントを開かせていただきました。そのイベントに来ていた人に自分が見ているビジョンを伝え、物件を紹介してくださる方と出会い、晴れて開業することができました。

3年と思っていたのが、3ヶ月で実現。ご縁を感じます。

 

同級生同士から、上司と部下の関係へ

——現在は3人で経営していらっしゃるということで、出会いや経緯を教えてください。

もともとは大学の同級生です。僕が一緒にいて、毎日笑うことができる同級生3人とやっています。将来のビジョンに賛同してくれ、「こういう人に、こういう思いになってほしいよね!」といった思いが合致しました。

ただ、もともとの距離感が近い分難しさを感じるばかり。友だちとしては関係性があるものの、経営者としての関わりとなると大きく異なります。僕が経営者としての知識が浅いこともありますし。

 

——経営者として接するとき、これまでと比べてどういった変化がありましたか。 

いい意味で厳しくなりました。今となっては、安心してぶつかりにいっています。

僕が経営者として責任を持って意思決定をしたことに対して背いたときや、ちょっとずれていると思ったときにきちんと伝え、対話を繰り返しています。

それからいい意味で言い合えるように。6月からは月替りメニューを開始し、スタッフ3人全員が心からお客さまにオススメできるまで話し合っています。

根本に、僕らの中で「カレーは自由でいい!」と決めています。合いそうな食材や好きな食材から始まり、名古屋のお店を巡っていくなかで良いと思った食材を取り入れることも。

まずは、自分らが食べたいと思えるかどうかを大事にしています。

 

一方通行になることなく、お客さまとの関係を大切に

——6月から月替りメニューが加わるなど、お店が変化し続けていく中で客層に変化を感じますか。

以前と比べ、月替りメニューのご注文を多くいただいています。男女比率に関しては、半々ですね。女性が発信していることが多く、InstagramやGoogleマップを見てきてくださる方が多い印象。

以前、中高年男性が゙来店してくださったとき「うまかった!」と言ってくださったんです。女性のお客さまからの感想も嬉しいですが、地域のおじちゃんの感想が本当に嬉しかったです。

 

——SNSで発信するときに、何か意識していることはありますか。

僕らがSNSで発信するときには、一方通行にならないよう意識していて、あくまでお店の情報を発信しますが、ちゃんと双方向なのかどうかを大事にしています。

お客さまとコミュニケーションをたくさん取る分、メッセージをいただくことが多いです。その中で「このお店をつくってくださって、ありがとうございます!」と感想をいただいたのが、今でも忘れられないひとこと。

 

ヒトやモノに興味を持つことで、気づきが生まれる

——幼い頃から変わらない点を1つ教えてください。

小さい頃から今まで変わらないのは、好奇心ですね。 何がやりたいのか問われるときや「将来の夢は何ですか?」と聞かれたときに、めちゃくちゃ困った記憶が。(笑)

卒業アルバムを見返すと、サッカー選手、マラソン選手、漫画家など、とってつけたような夢しか書いてなくて、やりたいことは本当に少なかったです。だんだんと「何をしたいかではなく、誰とやりたいか」を大事にしたいことに気づきましたね。

僕は、人の話を聞くのがめちゃめちゃ好きなんです。ヒトやモノへの興味は、昔から強かったかもしれないですね。

 

挑戦した先にあるワクワクを信じて、恐怖心に打ち勝て!

——一眞さんから、“チャレンジ精神”を強く感じます。しかし、なかにはチャレンジしたくてもチャレンジできずにいる人もいると思います。そういった方へアドバイスを!

僕もまだ道半ばです。僕がチャレンジや、大きい意思決定をする上で大事にするのが「ちゃんと怖いか」ということ。ワクワクするだけでなく、リスクもありきかどうか。

迷ってる人はやってもいいし、やらなくてもいいと思います。ただ、やっただけ面白い人と出会えるし、自分の考え方が変わっていくのも面白いですよ。

挑戦したら、楽しい人とやりたいことをやれると思います!僕にとっては、それが一番の価値です。

ちょっと怖いかもしれませんが、よかったら僕と一緒に挑戦してください。

 

——最後にひとこと、お願いします。

僕は「この人と食べたい」「この人を連れて行きたい」「この人に紹介したい」と思ってもらえるようなお店づくりがしたくて。その流れの中で、来てくださったお客さまと一緒に、何かをつくったり、一緒に遊んだりできたら嬉しいです。

今後とも、応援よろしくお願いいたします。ありがとうございました。