
土岐市駅|産地だからこそできることばかり!“うつわ”を見て、学んで、楽しめる複合体験施設
岐阜県土岐市をはじめとする5市からなる東濃地方は、陶磁器の伝統的な産地。その歴史は1300年!良質な焼き物の原料がとれることから、今もなお、日本の陶磁器生産量の約50%を占めています。
数多くの生産元が点在するなか、陶磁器メーカーの1つとしてあげられるのが土岐市にある「光洋陶器」さんです。
自社工場の一角を改装し、うつわの複合体験施設「KOYO BASE」をオープンしました。製造業とは全く異なる飲食業が加わるので、同社にとっては大きな挑戦となります。
今回は、新たにオープンした「KOYO BASE」の施設内にあるカフェダイニングやショップ、ワークショップ、工場見学、それぞれの魅力をご紹介します。
目次
うつわを五感で味わうことができる、新たな観光スポット「KOYO BASE(コウヨウ ベース)」
食べることを“うつわ”から考えてきた会社の新たな挑戦
ホテルやレストランなど、プロフェッショナル向けの陶磁器製造で知られる「光洋陶器」さん。2023年1月21日、岐阜県土岐市にある同社の工場の一角に、うつわの複合体験施設「KOYO BASE(コウヨウベース)」がオープンしました。
コンセプトは「Clay to Table」。土から食器ができるまでの過程を知り、その食器が食卓に並び、地場の“食”を味わう、という一連の流れを、1つの空間でまるっと楽しむことができるのはここならでは。
土岐ICから車で約15分の場所にあります。敷地内に22台分、200m先に24台分の駐車場があるのでご利用ください。電車の場合、土岐市駅が最寄りです。
光洋陶器さんの代表格!ドリンクウェアブランド「ORIGAMI」
コーヒー好きなら誰もが知っていると言っても過言ではないドリンクウェアブランド「ORIGAMI(オリガミ)」。製造元が「光洋陶器」さんだということをご存知でしょうか。
2階に上がってすぐの場所に「ORIGAMI」の商品がずらり。こちらのスペースのみならず、内装すべて、素焼き(=成形した製品を一度低温で焼成すること)の色をテーマとしていることから、器が主役になるようなデザインになっています。
豆の味を最大限に引き出すために研究に研究を重ねてつくられた同ブランドのドリッパーは、世界中から支持されています。
【カフェダイニング】地場の食材をふんだんに使った、身体にやさしいメニュー
お腹が空いてきたところで、カフェダイニングへ。
メニューは季節ごとに変わりますが、どれも身体にやさしいものを使ったメニューを提供する予定。まずはカレーからご紹介します。
●農園野菜のスパイスカレー 1,200円(税込)
同社のブランドは計6つあります。そのうちの1つが「Roots」。食器のルーツを探り、さまざまな国の文化や食にまつわる暮らしを感じることができるテーブルウェアとして誕生しました。
フードプロデュースとして加わる「MAISONETTE Inc.」さんのアイデアにより、開発途中だったRootsの器をカレーの器として使うことに◎
お重のように器を重ねている状態。一見カレーに見えないですが安心してください。
上の段をずらしてみると、カレーが!斬新な提供の仕方に驚愕。
前菜にもカレーにも、無農薬野菜をつくる「ファームレガーロ」さんの野菜を使っていて、食感はシャキシャキ!そしてジューシー。旨味がぎゅっと凝縮されているのを感じます。
ルーに入っているスパイスは食感があって存在感がありますが、辛さ控えめで食べやすいです。
●お魚とお野菜のセット 1,400円(税込)
全体的に和テイストな味付け。薬膳出汁は、血行促進作用のある2種の漢方と4種の削り節からとった優しいお出汁。里芋の皮も入っていて、無農薬野菜だからこそ食べることができるのだと感心。
味ごはんは郷土料理。陶磁器を焼く窯焼き職人が食べていたという食文化を継承している点、素敵です。
●柚子のパウンドケーキ 400円(税込)
※ドリンクまたはフードを頼むと100円引き
ひとくちするたび柚子の香りが鼻から抜けて、柑橘類のケーキが好きな人にはたまらない一品。
●ORIGAMI Cup 飲み比べセット 1,000円(税込)
数種類のコーヒーを飲み比べするのが一般的ですが、ここでいう“飲み比べ”は違います。コーヒーは1種ですが、カップが3種。つまり、カップの違いでコーヒーの味変を楽しむことができます。
よく見ると、カップのフォルムが絶妙に異なります。器の形状が異なると飲むときの顎の高さが変わり、味覚にも変化が生まれるんです!
目の前でマジックが起きているのかと、本当に驚きました。ぜひお試しください。
【ショップ】季節に合わせたディスプレイに注目を
心も身体も満たされたところで、ショップに移ります。
季節に合わせたディスプレイとブランド別ディスプレイとあって、それぞれ豪華な演出付き。つるっとした食器が引き立つよう、机は対照的なマットな素材になっています。
これだけ多くの器を一度に目にする機会は珍しいのではないでしょうか。
カフェダイニングでいただいたお料理で使っていた食器を探すもよし、お気に入りの器も探すもよし。ショッピングを思う存分楽しみましょう!
【ワークショップ】世界にひとつだけの“うつわ”づくり
ワークショップスペースでは、「食と器をもっと楽しむ」をテーマに体験教室やイベントを開催します。
転写シート(紙銅版)を自由に切り貼りしたり、好きな器に絵の具で自由に柄を描いて、オリジナルの食器がつくれます。
その日によって素焼きの状態で置かれる器が違うので、別日に体験すると異なる器が選べちゃう◎ 1度と言わず何度でもどうぞ。
完成後に本焼きをするため、後日来店での受け取り、もしくは配送(別途送料)となります。スケジュールや予約はこちらから。
【工場見学】一般開放は初の試み
これまで法人のお客様や知り合いの方のみが入れた製造工場。「KOYO BASE」オープンにあたり、一般の方も工場見学することが可能に◎
普段使っている食器がどのようにつくられているのか、プロセスを知ることで感じ方が変わったり、ありがたみが増したり、興味が高まったりするきっかけになること間違いなし。
各回50分程度で開催しています。スケジュールや予約はこちらから。
“うつわ”を全身で堪能できる空間で、よい1日を
「KOYO BASE」さんは、“うつわ”に纏わるあらゆる体験ができて、国籍年齢性別問わず楽しめる場所!
隣接している工場でつくられたうつわで味わうカフェダイニング。うつわとの出会いが生まれるショップ。うつわへの学びが深まるワークショップ。うつわの製造工程を知ることができる工場見学。どれも、産地だからこそ体験できるコンテンツばかりです◎
今後、観光スポットとして栄えていくことでしょう。
土岐市の魅力は他にもたくさんあります。
地元で愛される老舗から一風変わった個性的なお店まで、「KOYO BASE」にきたら立ち寄ってほしいお店を同社の編集部がピックアップして8つ折りのマップにしたそう。
その名は「TOKI Choi MAP」。そちらもぜひ手に取ってみてください!