名古屋で巡るレトロな純喫茶 vol.4「ベルベットのソファー」と「桃色クリームソーダ」
高層ビルが建ち並び、東海エリアの最大都市としての威厳を感じられる名古屋の市街地。
そんな街中には、何十年も前からオフィス街で働く人たちを支えてきた喫茶店が数多く存在します。
この日訪れたお店は、名古屋中心部のオフィス街でおよそ50年営業している喫茶店。
ノスタルジーを感じる外観に惹かれて入店したあとに知らされた事実に驚きながらも、骨董品に囲まれたレトロ感たっぷりな空間でしばしの休憩を楽しむことができました。
目次
まさかのメニューなし!?母娘で切り盛りする骨董品に囲まれたレトロな喫茶店「いと忠」
ビルの隙間にレトロな外観の建物がひとつ。街中で独特な雰囲気を放つ喫茶店へ
丸の内のオフィス街を歩いていると、ビルが建ち並ぶその隙間に異色な建物がひとつ。
ブロック塀の先に見えるグリーンが生い茂っているこの建物が、今回訪れた喫茶店「いと忠」さんです。
お店が建つのは地下鉄桜通線丸の内駅から徒歩4分くらいのところ。見た目はかなりノスタルジーを感じる佇まい。
あまりにもレトロな雰囲気なので少し躊躇しましたが、あまりにも気になるので思い切って入店してみることにしました。
入店してまず目に入るのは大きなシャンデリア!骨董品が並ぶ店内へ
店内へ足を進めると、まず視界に飛び込んでくるのは大きなシャンデリア。
これまでに多くの喫茶店を訪問していますが、ここまでゴージャス感のある内観のお店には久しぶりに出会いました。
写真の蓄音機はもう現役ではないものの、お店の中でしっかりと存在感を放ち、オブジェとして雰囲気づくりに一役買っています。
店内にはさまざまな骨董品がいたるところに置かれていて、古物好きには思わず興味惹かれるアイテムがたくさんありました。
そして、このノスタルジックあふれる空間の中でも特に存在感を放っているのは、高級感のあるベルベットのソファー。
お店の人によると、「いと忠」さんは創業からおよそ50年ほぼ変わらない状態で、同じような雰囲気かつ同じ場所で営業しているとのこと。
黒や臙脂色(えんじいろ)などダークトーンが多い店内に華を添えているこのソファーは、若干年季は入っているものの、その艶感や色合いは令和のこの時代になっても健在しています。
窓の外にはミニガーデン?鑑賞物の中に生活感が溶け込む不思議なスペース
この日は比較的席が空いていたので、日当たりの良い窓際の席に腰を下ろしました。
遠目で見た景色にグリーンが見えたので小さな中庭のようなものがあるのではないかと期待して席を選んだのですが、実際は予想の斜め上をいく不思議な景色を目の当たりにすることに。
おそらく観賞用に配置されたのであろう石像や植物の中に、自転車や生活用品が並んでいるという意外すぎる景色。
何も知らずに訪問した人が見れば思わず首をかしげてしまうような生活感のあるこの雑多な風景も、昭和時代の喫茶店ならではのユニークさだと思えば妙に納得できます。
こんなことってある!?着席後伝えられた驚きのひと言「メニューはないよ」
席に着くと、お水とおしぼり、灰皿がテーブルに置かれました。
メニューらしきものは置かれていなかったので「メニューをいただけますか?」とお店の人に尋ねると、少し困惑した様子で「うち、メニューないのよ」とひと言。
以前ブログやグルメサイトでこのお店の情報を見かけたときは、たしかにメニューの記載があったのに…と不思議に思いましたが、訪問時はメニューを用意していないとのことでした。
あまりにも衝撃的なセリフに一瞬固まるも、とりあえず何かオーダーしなければと思い、Googleで調べた事前情報を頼りにオーダーしてみることに。
「いちごジュース」「グレープフルーツジュース」をオーダーしてみるも、この日は提供していない様子。
3つめの提案「いちごのクリームソーダ」でようやくオーダーが通り、思わず胸を撫で下ろしました。
お店の人の気遣いと遊び心を感じられる♪昔ながらのクリームソーダ
●クリームソーダ/いちご 500円(税込)
おそらく普段は常連さんの利用が多いのでしょう。
オーダーを通したあと、お店の人同士で「あの人、見たことある?」「あのくらいの歳の女の人、あまり見かけないよね」などと相談している声が聞こえました。
そして待つことおよそ5分ほど。
私のいるテーブルに「クリームソーダ」が運ばれてきました。
クリームソーダ自体は、いちごシロップで着色、風味付けをしたソーダの上にバニラアイスが乗った至ってシンプルなもの。
ストローは紙製のタイプで、よく見ると「くまのプーさん」のイラストが入っていました。
「女の人だし、可愛い方がいいと思って」と、お店の人たちが考えて選んでくれたデザインのようで、初めての来客に対する気遣いとおもてなしを感じられる嬉しいチョイスに感激!
お店は母娘で切り盛りしていて、ドリンクを提供してくれた娘さんはお母さんと相談して絵柄を選んでくれたそうです。
レジ横に置かれたタバコのパッケージに“昭和”の時代を思い出す
お会計の際にレジ横へ目を向けると、さまざまな銘柄のタバコが並ぶショーケースが置かれていました。
今ではもうほとんど販売はしていないそうですが、昔の名残でそのまま置いてあるのだそう。
昭和のころは喫茶店でタバコを吸うことは当たり前で、店内でタバコを販売しているお店もあったんですって!
古き良き時代の雰囲気を存分に味わえるノスタルジーあふれるお店
ノスタルジックな外観に一目惚れして立ち寄った「いと忠」さん。
一歩お店の中へ入ると、昭和の時代へタイムスリップしたかのようなどこか懐かしい気持ちにさせられます。
気になる方は、ぜひ一度足を運んでみてくださいね!
INFORMATION
店名:
いと忠喫茶店
住所:
愛知県名古屋市中区錦1-6-35
電話番号:
052-231-2811
営業時間:
7:30~18:30
定休日:
日曜日・祝日
一人当たりの予算:
〜¥1,000
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